健康診断で異常があった方へ
健康診断の結果は、すべての項目が正常であれば安心ですが、数値の異常を指摘されることもあるかもしれません。
異常値が出た場合、必ずしも病気であるとは限りません。
しかし、その原因を突き止めるために経過観察や再検査、精密検査が必要となるケースや、治療が必要となるケースもあります。
当院では、がんや生活習慣病などの早期発見・早期治療を支援しています。
健康診断で一部の項目でも異常値があった場合は、放置せずにぜひ一度ご相談ください。
ご自身の健康を守るためにも、早期発見・早期治療が重要です。
このような方はお早めに
当院までご相談ください
- 数値の異常を指摘されたが、そのままにしている
- 「要再検査」「要精密検査」「要治療」の指導を受けたが受けていない
- 「要経過観察」だが、定期的な受診をしていない
- 「症状がないから」と再検査や精密検査を受けていない
- 健康診断の結果を見ていない
- 前回の健康診断の結果を覚えていない
症状が出てから検査しているようでは、手遅れになることが多いです。
「どう対応したらいいのか分からない」という方も、ご安心ください。
検査結果をお持ちになって、お気軽に当院にご相談ください。
健康診断の結果の見方
健康診断の結果に、「要経過観察」「要再検査」など、似たような言葉が並んでいると違いが分かりにくく、同じような意味だと捉えてしまいがちです。
しかし、それぞれに必要な対応は異なりますので、注意が必要です。
検査結果を放置してしまうと、重大な病気を招き命に関わるような事態や、日常生活に大きな支障が出るような治療が必要になってしまうこともあります。
特に、食道癌や胃癌、大腸癌、膵臓癌、胆のう・胆管がん、肝臓癌などの消化器癌は、早期がんの状態では症状が全くないことが多く、症状がないにも関わらず検査結果で異常値が出た時点で追加の検査が重要になります。
また、生活習慣病も自覚症状に乏しいことが多く、放置すると動脈硬化が進行し、心臓や脳に深刻なダメージを与える可能性があります。
健康診断では、こうした生活習慣病もしっかりとチェックしています。
ご自身の将来の健康や生活の質を守るためには、「自分は大丈夫」と油断せず、早期発見と適切な治療が重要です。
当院では、健康診断の結果に関するご相談も承っておりますので、お気軽にお越しください。
異常なし
正常範囲です。問題はありません。
要経過観察・要再検査
要経過観察は、検査結果の数値が正常範囲から外れているため、定期的な検査で経過を観察していく必要があります。遅くとも1年後には再度検査をお勧めします。
要再検査は、すぐに検査をする必要はありませんが3カ月~半年以内の再検査をお勧めします。
どちらもすぐに治療が必要な状態ではありませんが、放置せずに、生活習慣の見直しや改善に取り組みましょう。
数値を正常な範囲に戻すことは、将来の患者様の健康を守るためにとても大切です。
要精密検査
要精密検査は、すぐに精密検査をすることが勧められます。
健康診断である程度の病気のリスクを把握できますが、精密検査が必要となるケースもあります。
要精密検査と診断された場合でも、実際に精密検査を受けてみると異常がないケースも少なくありません。
要精密検査は、あくまでも精密検査が必要だと考えられる状態を示すものであり、確定的な診断ではありませんので、必要以上に不安に思う必要はありません。
ただし、早期発見・早期治療のためにも、要精密検査の指示が出た場合は、必ず医療機関を受診するようにしてください。
要治療
すぐに治療が必要な状態です。
速やかに専門医を受診しましょう。
健康診断の項目と
疑われる病気のリスク
健康診断の結果を管理し、健康を維持しましょう。
大腸の病気:便潜血
多くの健診施設で行われている便検査は、「便潜血検査」と呼ばれるもので、便に血液が混ざっているかどうかを調べます。
便検査の結果だけで、大腸がんの確定診断ができるわけではありません。
便潜血検査は、人間の赤血球に含まれるヘモグロビンに反応する抗体を用いて、便中の血液を検出します。
人間の赤血球のみに反応するため、食べたものによる影響を受けにくく、胃潰瘍などによる出血にも反応しにくいという特徴があります。
ほとんどの健診施設では、2日分の便検体を用いて判定を行います。
胃の病気:ピロリ菌
ピロリ菌は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の90%以上に認められ、胃がんの99%はピロリ菌が原因とも言われています。
ピロリ菌を調べるには、採血、便、尿、呼気などの検査方法に加え、内視鏡検査で胃粘膜の一部を採取する方法もあります。
簡便で、通常の採血検査と同時に行えることから、多くの健診や人間ドックでは、採血によるピロリ菌抗体検査が一般的です。
これらの検査で陽性と判定された場合、ピロリ菌に感染していると考えられます。
ただし、ピロリ菌の除菌治療後に行う採血による抗体検査では、治療が完了していても陽性と判定されることがあります。
膵臓の病気:アミラーゼ・
リパーゼ
血液検査のアミラーゼとリパーゼは、膵臓の働きを評価する項目です。
アミラーゼは、膵臓から分泌され、十二指腸ででんぷん(糖類)を分解する消化酵素です。
リパーゼも同様に、膵臓から分泌され、十二指腸で脂肪を分解する消化酵素です。
膵臓に異常があると、アミラーゼ値とリパーゼ値の両方に異常が現れることがあります。
膵臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、膵がんなどの膵臓の異常は発見が難しく、進行すると命に関わる危険性もあるため、異常値が出た場合は、速やかに医療機関を受診してください。
肝機能障害:AST、ALT、ALP、γGTP、ビリルビン
肝臓は、初期の肝機能障害では自覚症状が現れにくい臓器です。
しかし、無治療のまま放置すると、肝機能障害は慢性肝炎、そして肝硬変へと進行していきます。
肝硬変になると、元の健康な状態に戻ることは難しく、肝不全や肝臓がんのリスクが高まります。
そのため、肝硬変に至る前に早期発見・早期治療することが重要です。
健康診断や人間ドックで肝機能障害を指摘された場合、自覚症状がなくても放置せずに、医療機関を受診してください。
肝機能障害が疑われる場合、消化器病専門医による腹部超音波検査を行い、肝臓、胆のう、膵臓の状態を詳しく確認します。
糖尿病:血糖値、ヘモグロビンA1c(HbA1c)
健康診断で血糖値やHbA1cの高い値を指摘された場合、糖尿病または糖尿病予備群の可能性があります。
糖尿病は、放置すると様々な合併症を引き起こし、重篤な状態になりかねない病気です。
糖尿病にはいくつかの種類がありますが、約9割を占める2型糖尿病は、運動不足や食生活の乱れといった「生活習慣の乱れ」が大きな要因の一つです。
放置すると深刻な合併症のリスクが高まりますが、健康診断などによって早期に発見できれば、運動療法や食事療法によって改善できる可能性があります。
高血圧:血圧
健診時や診察室で測定した血圧が140/90mmHg以上の場合は、高血圧と診断されます。
高血圧の状態が続くと、血管や心臓に負担がかかり、自覚症状がなくても動脈硬化や心臓肥大が進行していきます。
その結果、脳卒中、心筋梗塞、心不全、不整脈、動脈瘤、腎不全といった循環器病のリスクが高まります。
高血圧症の合併症は、重篤な病気を引き起こす可能性があるため、血圧が高いことが判明したら、速やかに医療機関を受診してください。高血圧治療の目標値は、家庭血圧で測定した場合、75歳未満の方は125/75mmHg未満(診察室血圧では130/80mmHg未満)、75歳以上の方は135/85mmHg未満(診察室血圧では140/90mmHg未満)です。
病院に行く時だけ、血圧が上がってしまう方もいるため普段から決まった時間に測定して、自分の血圧を把握しておくことが大切です。
痛風(高尿酸血症):尿酸値(UA)
尿酸は、プリン体が肝臓で分解されてできる物質です。
プリン体は、体の細胞内の核酸という物質の主成分であり、核酸は運動や臓器の活動に欠かせない重要な役割を担っています。
尿酸値が高いだけでは自覚症状はほとんどありませんが、長期間放置すると痛風発作をはじめ、様々な合併症を引き起こす可能性があります。
さらに、高尿酸血症は、心筋梗塞のリスク因子であることも明らかになってきています。
脂質異常症:コレステロール・中性脂肪
中性脂肪値が高い、LDL(悪玉)コレステロール値が高い、HDL(善玉)コレステロール値が低い、これらのいずれかに当てはまる場合、脂質異常症と診断されます。
一般的に、LDLコレステロールは140mg/dl未満、HDLコレステロールは40mg/dl以上、中性脂肪値は150mg/dl未満が正常値とされています。
血液中の脂質が高い状態でも自覚症状が現れにくいため、放置されがちです。
しかし、脂質異常症を放置すると、血管の内側に脂質が蓄積し、動脈硬化を引き起こす原因となります。
近年、脂質異常症は、動脈硬化の最大の危険因子であると言われています。
健康診断の異常値、
放置するとどうなる?
健康診断の結果は必ず確認し指示に従いましょう。
「要再検査」や「要精密検査」と判定されても、必ずしも病気であるとは限りません。
しかし、再検査や精密検査を受けることで、重大な疾患の早期発見・早期治療につながるケースも少なくありません。
放置していると、病気が進んでしまい、命に関わるような事態を引き起こす可能性があります。
健康診断の結果は軽視せず、「要再検査」「要精密検査」「要治療」などの指示が出た場合は、必ず医療機関を受診してください。
健診の結果で悩まれている方は
まずはご相談下さい
健康診断で異常を指摘されたものの、異常値の重大性がわからない、どのような対応をすれば良いのかわからないなど、お悩みをお持ちの方は、ぜひ検査結果をお持ちのうえ当院にご相談ください。
当院では、健康診断の結果について、患者様にご理解いただけるよう丁寧にご説明いたします。
また、今後の治療方針についても、患者様とご相談の上、決定いたします。
内視鏡検査に不安をお持ちの方もご安心ください。
当院では、高度な内視鏡技術と最新の医療機器を駆使し、痛みを最小限に抑えた、安心して受けていただける内視鏡検査を提供しています。
消化管がんの早期発見には、内視鏡検査が不可欠です。
過去の検査で辛い思いをされた方も、お気軽にご相談ください。患者様一人ひとりに寄り添い、分かりやすい説明を心がけております。
消化器内科専門医として、患者様の健康を守ることを使命とし、早期発見・早期治療を目指し、患者様と共に歩んでまいります。