- CT検査とはどういう検査?
- 当院のCT検査の特徴
- CT検査で調べる検査内容
- カメラを使わず大腸の検査ができる?
大腸CT検査について - CT検査で分かる主な病気
- CT検査の流れ
- CT検査を受ける際に気を付けること
- CT検査の費用
CT検査とはどういう検査?
CT検査とは、身体の断面をコンピューターで処理して画像化する検査です。
体のあらゆる臓器や組織を鮮明に映し出すことができ、検査時間も短時間で済むというメリットがあります。
腹痛、下痢や便秘、体重減少、背部痛、頑固な咳、めまいなど、様々な症状で受診される患者様、がんの家族歴があり、ご自身の健康状態が気になる方なども、CT検査を受けることができます。
360度観察が可能!
異常を見つけやすい「CT検査」
CT検査は、体の気になる部分を360度あらゆる角度から詳しく調べることができる検査になります。体の断面を一枚一枚画像として捉えることができるので、小さな病変も見逃さずに早期発見につなげることが可能です。
レントゲン検査では、平面的な画像となり影などで見にくい部分がある一方、CT検査では、体の内部を立体的に詳しく観察が出来るため病気の診断や治療の計画を立てる上でも非常に役立ちます。
特に、膵臓など前後に他の臓器が重なっており観察しづらい臓器も、気になる角度からピンポイントで撮影することができ、病気を格段に見つけやすい環境となります。
骨折などの整形的な問題のみならず、内臓や血管の病気など、幅広い病気の診断に役立つのがCTの魅力ある特徴です。
当院のCT検査の特徴
当院のCT検査には以下のような特徴があります。
当日の撮影、説明が可能
当院では、患者様の状況に応じて、受診当日にCT検査を受けていただくことが可能です。
検査部位を迅速かつ正確に撮影します。
検査後には、患者様一人ひとりに、撮影した画像を確認しながら、検査結果について分かりやすくご説明いたします。最終的な検査結果は、後日改めてお伝えいたします。
なお、受診当日に確実にCT検査を受けていただくためには、事前のご予約をおすすめいたします。
検査時間が短い
当院では、16断面スキャン可能なCTスキャナーを導入し、検査時間を大幅に短縮しています。
頭部、腹部、胸部などを撮影する場合、30cmの距離を8.6秒で撮影できるため、患者様の負担を軽減し、快適に検査を受けていただけます。
また、胸部撮影の場合、従来は数回の息止めが必要でしたが、院では1~2回の息止めですむため、より少ない負担で検査が可能です。
負担の少ないCT検査
当院では、マルチスライスCTを導入し、患者様の負担軽減に努めています。
広い開口部により、腕を上げるのが困難な患者様でもポジショニングの負担が軽減されます。
また、検査中の圧迫感も少なく、快適に検査をお受けいただけます。
さらに、寝台高さを調整できるため、足腰に不安のある患者様や車椅子をご利用の患者様も容易に乗り降りいただけます。
最新鋭の設備で
被ばく量の少ない正確な診断
当院のC Tでは、3次元任意断面での画像診断が可能であり、レントゲン検査では分からなかった細部まで確認できます。
これにより、小さな病変やがんなどの早期発見に貢献しています。
また、新型の検査部は低線量撮影が可能な新世代プラットフォームを搭載しています。被ばく線量を大幅に低減する技術が装備されており、正確な診断と患者様の安全を両立しています。
被ばくを最小限に抑えた検査
CT検査では、高画質を得るために放射線量を上げるのが一般的ですが、当院では画像ノイズを低減することで画質を維持しつつ、患者様の被ばく線量を最小限に抑えています。
CT検査で調べる検査内容
当院では、全身のCT検査が可能です。CT検査で分かる病気や体の状態についてご説明します。
腹部CT検査
腹部CT検査は、内視鏡では観察できない肝臓、膵臓、胆のうなどの腹部臓器の病変診断に有効です。
単純CT撮影と造影CT撮影があり、造影剤を使用することでより明確な診断が可能です。
腹部CT検査では、肝臓がん、膵臓がん、胆道がんなどの腹部臓器が原発の悪性腫瘍の有無や有った場合の進展度、腹部リンパ節への転移の有無などが分かります。また、急性腹痛の原因となる、腸閉塞、胆石、胆のう炎、大腸憩室炎、急性虫垂炎、尿管結石、膵炎、解離性大動脈瘤、消化管穿孔なども診断できます。
胸部CT検査
胸部CT検査では、5~10秒程度の息止めにより肺の状態を詳細に調べられ、肺の血管、気管、そして空気を鮮明に観察できる検査です。
1回の撮影で様々な角度から観察可能な画像が得られ、より詳細な画像を作成することで多角的な観察が可能です。
カメラを使わず
大腸の検査ができる?
大腸カメラが受けられないもしくは苦手な患者様のために、大腸3D-CT検査という検査もございます。
これは、内視鏡を使わずに大腸を3D画像化し、腫瘍やポリープを発見する検査です。肛門からチューブを挿入し、炭酸ガスで大腸を膨らませた状態でCT撮影を行います。
撮影後の画像はコンピューターで処理され、大腸のみが3D画像化されます。 検査前には下剤を服用しますが、少量のため負担も少なくてすみます。
当院では、大腸3D-CT検査には対応しておりませんが、単純CTにて内視鏡検査では診断することのできない急性膵炎や胆嚢炎、虫垂炎などを高確率で診断することが可能です。
大腸CT検査と大腸カメラの違い
大腸カメラと大腸CT検査はどちらも大腸の精密検査ですが、それぞれ特徴が異なります。
大腸CT検査は、炭酸ガスで腸管を膨らませた状態でCT撮影を行い、3次元画像で診断します。大腸カメラのように組織採取や治療はできませんが、下剤の量や身体への負担が少なく、検査時間も10~15分程度と短時間です。
特別な解析装置を用いることで、大腸カメラと同等の診断精度でポリープなどの病変を描出できます。また、腹部全体も撮影できるため、肝臓、腎臓、膵臓、胆のう、子宮、卵巣、前立腺など他の腹部臓器の診断も可能です。
腹部手術の癒着などで大腸カメラが挿入困難な方や、大腸カメラが苦手な方におすすめです。
大腸CT検査の
メリット・デメリット
メリット
- 検査時間が短く、10~15分程度で終了
- 大腸カメラと比較して苦痛が少ない
- 腹部全体を撮影するため、肝臓や膵臓など、大腸以外の臓器の診断も同時に行える
- 腸のヒダの裏側まで360°確認できるため、病変の見落としリスクを低減できる
デメリット
- 組織採取ができないため、異常が検出された場合は大腸カメラ検査が必要
- 5mm以下のポリープや平坦な病変は検出が難しい場合がある
- 病変の硬さや色の情報は得られない
- X線を使用するため、妊娠中、あるいは妊娠の可能性のある方は検査を受けることができない
大腸カメラ(大腸内視鏡)の
メリット・デメリット
メリット
- 5mm以下の小さなポリープや平坦な腫瘍も発見しやすい
- 粘膜の色調など細かい情報を観察可能
- 病変を発見した場合、その場で切除や組織採取が可能
デメリット
- 内視鏡挿入により苦痛を伴う場合がある
- 内視鏡で腸内を傷つける可能性がある
- 腸が狭窄している場合、その先を検査できない場合がある
- 腸のヒダの裏側や屈曲部は死角になりやすく、病変の見落としリスクがある
CT検査で分かる主な病気
CT検査では、胃・腸・肝臓・胆嚢・すい臓・腎臓などの腹部の疾患から、頭部、胸部、血管の疾患など、ほぼすべての臓器の疾患が検査対象です。
CT検査で分かる主な病気についてご説明いたします。
急性膵炎
膵臓で作られた消化酵素が何らかの原因で活性化してしまうと、膵臓自身が消化されてしまうことがあります。これが、急性膵炎という病気です。
急性膵炎になると、激しい腹痛や背中の痛み、吐き気などの症状が現れ、重症化すると命に関わることもあります。
胆嚢炎
胆石が胆嚢管に詰まることで、胆汁の流れの悪化や胆汁の逆流が生じ、細菌感染を起こして胆嚢に炎症が起きる病気です。
胆嚢炎には、急性と慢性があり、それぞれ症状・原因・治療法なども異なります。急性胆嚢炎になると、背中や右上腹部に激しい痛みが生じます
急性虫垂炎
一般的に「盲腸」と呼ばれる病気です。 虫垂に炎症が起きることで起こりますが、原因ははっきりとは分かっていません。 異物が虫垂に詰まったり、不規則な生活習慣や暴飲暴食などがきっかけで発症すると考えられています。
症状としては、上腹部またはおへそ周辺の腹痛から始まり、時間が経つと右下腹部の激しい痛みが現れます。
がん(肝臓がん、膵臓がん
胆道がん、肺癌など)
CT検査では、肝臓がん、膵臓がん、胆道がん、、肺癌などの悪性腫瘍の有無だけでなく、がんが周囲に広がっているか、癌の深さなども詳しく観察することが可能です。
特に膵臓がんは、臓器が他の臓器と重なっており検査で見つかりづらく発見されにくい病気と言われています。CT検査であれば、そういった臓器でも詳しく観察することが可能です。
大腸憩室炎
大腸の壁の一部が外に飛び出して袋状になったものを「憩室」と呼びます。 大腸憩室炎は、この憩室に炎症が起こる病気です。
腹痛、発熱、お腹の張り、下痢や便秘などの便通異常などの症状が現れることがあります。
CT検査の流れ
1医師の診察
検査の前には医師による診察が必要になります。 予約状況にもよりますが、当日の検査も可能です。気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。
2受付・準備
予約15分前までに受付までお越し下さい。
撮影の範囲に金属・ボタン・入れ歯・湿布などがございましたら、外していただく必要がございますので、着替えが必要な方は、更衣室にて検査着に着替えていただきます。
3検査開始
検査室にて、ベッドに仰向けで寝ていただきます。
検査位置決めの為の前撮影を行い、その後は呼吸(息止め)の指示に従いながら撮影を行います。撮影時間は約10分~15分程度となります。
4検査後
着替えをしていただき、そのままお帰りいただけます。
検査結果は後日、医師より説明させていただきます。お帰りの際に、次回のご予約をお願いします。
CT検査を受ける際に
気を付けること
注意事項
- 腹部の CT 検査を行う場合は 検査の約 3 時間前より絶食してください。お水は飲んでいただいて構いません。
- 検査終了後は、できるだけ水分を多めにとるよう心掛けてください。
- CT検査は身体の動きに影響を受けやすい検査です。検査中はできるだけ動かないようにしていただく必要があります。また、撮影する部位によっては、10~20秒程度の息止めが必要な場合もございます。
CT検査が
受けられない人とは?
下記に当てはまる方は、必ずスタッフにお伝えください。
- 妊娠中、または妊娠の可能性のある方
- 心臓ペースメーカーを使用している方
- バリウム検査後3~7日以内の方(バリウム便が完全に排泄されれば検査可能)
CT検査の費用
検査内容 | 費用(3割負担の場合) |
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単純CT検査 | 約5500円 |
※1割負担の場合は、上記費用の1/3となります。 費用はあくまで目安の値段となります。
鎮静剤の使用の有無、その他使用する薬の種類など処置内容などによっては多少の変動があります。