大腸カメラ検査とはどんな検査?
大腸カメラ検査とは、肛門から内視鏡を挿入し、大腸の内部を直接観察する検査です。
この検査では、大腸がんの原因となる大腸ポリープの有無や、その他腸内の異常を直接確認することができます。
大腸がんは早期発見・早期治療によって完治が期待できるがんです。
当院では鎮静剤を使用し、患者様が眠っている間に苦痛なく検査を終えられるよう、最大限配慮していますのでご安心ください。
検査は、豊富な経験と専門知識を持つ内視鏡専門医が担当いたします。
便潜血で陽性の方は必ず
「大腸カメラ検査」を
受けましょう
大腸ポリープや早期大腸がんは、自覚症状がない場合が多い病気です。
そのため、健康診断などで行われる便潜血検査や大腸カメラ検査が、早期発見のために有効な手段となります。
便潜血検査は、便の中に含まれる血液の有無を調べる検査です。
簡単で費用も抑えられるというメリットがある一方、ポリープの発見率が低いというデメリットもあります。便潜血検査で陰性であっても、大腸カメラ検査でポリープや早期がんが見つかるケースは少なくありません。
大腸がんの早期発見には、2年に一度の大腸カメラ検査が有効とされています。
定期的な検査を受けることで、早期発見・早期治療の可能性が高まります。
大腸カメラ検査を受ける間隔は、初回検査から1年後、その後は2~3年ごとを目安としてください。
ただし、検査結果によっては、より早い段階での再検査が必要となる場合もあります。
大腸カメラは痛くない?
当院の大腸カメラ検査の特徴
眠ったまま受けられる
「痛くない」検査が可能
当院では、患者様の負担を最小限に抑え、安心して検査を受けていただけるよう、鎮静剤を使用した検査を行っております。
鎮静剤を使用することで、ウトウトと眠っているような状態で検査を受けていただけます。
そのため、初めての検査で不安な方や以前の検査が苦しかった方でも、安心して検査を受けていただくことが可能です。
検査時間は15分程度と、身体への負担も少なく済みます。
さらに、検査の質を高めるために、大学病院と同等の最新鋭の内視鏡システムを導入しています。
検査は、豊富な経験と高度な技術を持つ専門医・指導医が担当いたします。
患者様一人ひとりに寄り添いながら、丁寧で安全な検査を提供することをお約束いたします。
内視鏡専門医による
安全かつ正確な検査
大腸は複雑な形状をしているため、内視鏡検査は医師の技術力によって、患者様の負担が大きく変わってきます。
当院では、患者様に安心して検査を受けていただけるよう、豊富な経験と高度な技術を持つ医師が、丁寧かつ正確に検査を行います。
当院院長は、大学病院やハンズオンセミナーなどで初学者や他病院の先生に指導する立場にありましたので、過去の検査で痛みが強かったり、挿入が難しいと言われた方などでも、安心してご相談下さい。
最新のAIを使った
内視鏡システムで病変を
見逃さない
当院では、患者様の負担を最小限に抑え、より精度の高い検査を提供するため、最新鋭内視鏡システムを導入しています。
通常の観察に加え、病変部を拡大や高画質での観察が可能のため、病変の早期発見することができます。
高画質化により、病変の早期発見はもちろん、微細な病変の発見にもつながると期待されています。
AIシステムを導入することで、医師の「第2の目」として病変の見逃しを減らし、より正確な検査を行うことができます。
それにより検査時間も短縮できるため、患者様の負担軽減にも大きく貢献します。
大腸ポリープの日帰りでの
切除手術が可能
大腸がんは、小さな大腸ポリープとして発生し、時間をかけて徐々に大きくなり、やがてがん化すると考えられています。
一般的に、大腸ポリープは5mmを超えるとがん化するリスクが高まるため、切除が必要となります。
当院では、大腸カメラ検査の際に大腸ポリープを発見した場合、日帰りでの切除手術が可能です。患者様の負担を軽減し、早期発見・早期治療を実現いたします。
ただし、ポリープの数が多い場合やサイズが大きい場合、形態的に日帰りでの切除が難しい場合は、入院による切除手術が必要となることがあります。
その際は、適切な医療機関をご紹介いたしますので、ご安心ください。
炭酸ガス送気システムで
お腹の張り・不快感を軽減
従来の大腸カメラ検査では、腸内を観察するために空気を送気するため、検査後もしばらく腸内に空気が残ってしまい、お腹の張りや不快を感じることがありました。
そこで当院では、空気の代わりに炭酸ガスを用いた送気システムを導入しています。
炭酸ガスは空気と比べて吸収速度が200倍も速いため、検査後のお腹の張りを大幅に軽減することができます。
吸収された炭酸ガスは二酸化炭素となり、呼吸によって自然に体外へ排出されます。
このシステムにより、従来は数時間残っていたお腹の張りが、検査後すぐに解消されるようになりました。
胃カメラ・大腸カメラの
同日検査可能
忙しい方にも安心して検査を受けていただけるよう、当院では胃カメラと大腸カメラを同日に実施することが可能です。
2日に分けて検査を受ける場合、準備や来院の手間、費用など、患者様の負担が大きくなってしまいます。
同日検査であれば、これらの負担を軽減できるだけでなく、一度の準備で検査を終えることができます。
効率的に検査を受けたい方、スケジュール調整が難しい方は、ぜひご相談ください。
個室の前処置室、リカバリー室
完備で快適な検査が可能
当院では、患者様に安心して検査を受けて頂くため、下剤を飲むための前処置室は、全席完全個室(2室)または、半個室(4席)をご用意しております。
検査まで、周りを気にすることなくリラックスして、自分のペースで下剤を飲んで頂くことができます。
また、鎮静剤を使用した検査の場合、検査後もしばらくの間は眠気やふらつきを感じることがあります。
当院では患者様が安心して休めるよう、プライバシーに配慮したリカバリールームをご用意しております。
検査後は、ご自身のペースでゆっくりとお休み頂き、ふらつきがないことなどをしっかりと確認した上で安全にお帰り頂きます。
大腸カメラ検査が必要な人
(対象)
このような症状がある方は
一度検査を受けましょう
次のような症状がある方は、大腸疾患の早期発見・治療のためにも、一度、当院での大腸カメラ検査をご検討ください。
- 便秘や下痢が続いている
- 便に血が混じる
- 便が細くなった
- 健康診断で便潜血検査が陽性だった
- お腹が張る
- お腹が痛い
- 体重が急に減った
- 貧血がある
- ご家族や親戚など血縁者に消化器がん(胃がん、食道がん、大腸がん等)を発症した人がいる
- 大腸ポリープを切除した経験がある
- 40歳以上の方
特に、血便がある方は、痔によるものと思わず、一度検査を受けることをおすすめします。
大腸がんは早期発見・早期治療が非常に重要な病気です。
気になる症状がある場合は、一人で悩まず、お気軽にご相談ください。
大腸カメラ検査で分かる病気
大腸カメラ検査では以下のような病気を評価することができます。
虚血性大腸炎
虚血性大腸炎は、突然の激しい腹痛や下痢、血便などを伴う病気です。
高齢者では動脈硬化、若年者から中年者では便秘や薬剤が原因となるなど、年齢によって主な原因が異なります。
症状の重さによって、「一過性」「狭窄型」「壊死型」の3つに分類されます。
「壊死型」は命に関わる危険性が高い病態ですが、「一過性」と「狭窄型」は、ほとんどの場合、手術をせずに薬物療法などで改善します。
炎症性腸疾患
炎症性腸疾患は、免疫異常が原因で腸に炎症が起こる病気です。
代表的なものに、潰瘍性大腸炎とクローン病があります。
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は、10代後半から30代半ばの比較的若い世代に多く発症する病気で、近年日本人の間で患者数が増加しています。
主な症状は、血便、下痢、腹痛、発熱などです。
病気が進行すると、大腸の粘膜に潰瘍が広がり、大量の出血を引き起こすこともあります。
症状が一時的に改善しても、再発を繰り返すことが多いのが特徴です。
潰瘍性大腸炎は、本来であれば身体を守るはずの免疫システムが、誤って自分自身の腸を攻撃してしまう自己免疫疾患と考えられています。
診断には、大腸内視鏡検査が不可欠です。
内視鏡検査では、潰瘍性大腸炎に特徴的な粘膜の状態を直接観察することができます。
現在のところ、潰瘍性大腸炎を完全に治す方法はなく、治療は炎症を抑える薬物療法が中心となります。
潰瘍性大腸炎は、発症から10年以上経過すると、大腸がんのリスクが高まると言われているため、1年毎の大腸内視鏡検査が推奨されております。
治療を継続し炎症を抑えて、粘膜の状態を良好に保つことが大切です。
クローン病
クローン病は、口から肛門までの消化管全体に炎症が起こる病気で、特に小腸や大腸に多くみられます。
10〜20歳代で発症することが多いです。
主な症状としては、下痢、腹痛、肛門病変(痔瘻、皮垂など)、体重減少、発熱などがあります。
特に、肛門病変は腸の症状よりも先に現れることがあり、肛門科を受診して診断されるケースも少なくありません。
食生活の欧米化に伴い、日本でも患者数は増加傾向にあり決して珍しい病気ではありません。
診断には、大腸内視鏡検査や胃カメラ検査が用いられます。
大腸がん
大腸がんは、大腸にできた悪性の腫瘍が、周囲の組織に広がったり、他の臓器に転移したりする病気です。
早期の大腸がんは、自覚症状がほとんどありません。
しかし、進行すると、血便、便秘、下痢、便が細くなる、貧血、腹部のしこり、腹痛、腸閉塞などの症状が現れます。
大腸がんは、小さなポリープが徐々に増大しがん化することが多いと考えられています。
そのため、定期的な検査でポリープの段階で切除できれば、大腸がんの発症を予防することができます。
大腸内視鏡検査では、発見したポリープをその場で切除できるケースがほとんどです。
大腸がんを予防するためにも、症状がない段階から定期的に大腸内視鏡検査を受けることが重要です。
大腸ポリープ
大腸ポリープにはいくつかの種類がありますが、多くは腺腫と呼ばれるタイプのポリープであり、大腸がんに進行する可能性があるため注意が必要です。
腺腫は、大きさが5mmを超えるとがん化するリスクが高まるため、5mm以上の腺腫は切除することが望ましく、5mm以下であっても、がん化しやすい形状のものは切除の対象です。
大腸ポリープの切除は、ほとんどの場合、大腸内視鏡検査の際に行うことができます。
大腸ポリープを切除した場合、1~2年後には、再び大腸内視鏡検査を受けて経過観察をすることが大切です。
肉眼では見えないような小さなポリープが、時間の経過とともに大きくなり、がん化する可能性もあるためです。
急性腸炎
細菌性腸炎やウイルス性腸炎は、細菌やウイルスが腸内で増殖することで起こる感染症です。
主な症状は、下痢、腹痛、発熱、血便などです。
夏場にはカンピロバクター、サルモネラ菌などの細菌による食中毒、冬場にはノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルスによる感染性胃腸炎の流行が多く見られます。
特に、子どもやお年寄りの方は重症化しやすいため、注意が必要です。
軽症の場合は、整腸剤や抗生物質の内服、十分な水分補給によって症状は改善します。
しかし、症状が重い場合は、入院して絶食し、点滴による治療が必要となることもあります。
下痢や発熱などの症状が長期間続く場合は、他の病気が隠れている可能性があります。
潰瘍性大腸炎などの病気も考えられるため、大腸カメラ検査など、より詳しい検査が必要となることもあります。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は、がんや炎症性腸疾患など、検査で異常が見つかる病気ではないにもかかわらず、腹痛、腹部膨満感、下痢、便秘などの症状が繰り返し現れる病気です。
ストレスや不安などの心理的な要因によって症状が悪化する傾向があり、腹痛や消化器症状だけでなく、不眠、頭痛、食欲不振など、一見お腹とは関係のない症状が現れることもあります。
他の病気を除外するためにも、大腸カメラ検査などの検査を行うことが重要です。
適切な治療を受けることで、症状を改善し、快適な日常生活を送ることができるようになります。
直腸潰瘍
直腸潰瘍は、直腸の肛門近くにできる潰瘍で、痛みを感じないため出血するまで気づかないことが多いです。
そのため、血便や、大量出血により貧血を起こすこともあり注意が必要です。
大腸脂肪腫
脂肪腫は、脂肪細胞が集まってできた良性の腫瘍です。
大腸にできた脂肪腫は、小さい場合はほとんど自覚症状がありません。
しかし、脂肪腫が大きくなると、腸が狭窄したり、便の通り道を塞いでしまったりすることがあります。
腸閉塞などの重篤な症状を引き起こす可能性もあるため、定期的な大腸カメラ検査で経過観察を行うことが重要です。
大腸メラノーシス
大腸メラノーシスは、大腸の粘膜に色素が沈着している状態です。
痩せるために服用している漢方薬や、刺激性下剤が原因になることが多いため、原因の薬剤の中止が有用です。
大腸メラノーシス自体の症状はありませんが、腸管の全道蠕動機能が低下し便秘を引き起こしているため、刺激性下剤や漢方薬以外の薬を使って便秘をコントロールしていくことが大切です。
大腸カメラ検査の流れ
1診察
大腸カメラを受ける前に、まずは診察を行い症状などの確認をしていきます。
既往歴や内服しているお薬があればお伝えください。
当日の流れや注意事項などを説明します。
2検査3日前
大腸カメラ検査を受ける前の食事では消化の良いものを心がけてください。
控えていただきたい食品
- 海藻類(ワカメ、昆布、ひじきなど)
- きのこ類(しいたけ、えのき、しめじなど)
- 繊維の多い野菜(ごぼう、たけのこ、ブロッコリーなど)
- 種のある果物(キウイ、イチゴ、ぶどうなど)
- ごま、ピーナッツ、こんにゃくなど
飲み物について
- 水分はいつもより多めに摂取しましょう。
- コーヒーや紅茶は砂糖入りでも構いませんが、ミルクやレモンは入れないでください。
- 果実入りのジュース、牛乳、繊維入りの飲料水、アルコールは控えてください。
3前日
検査前日は、以下の点にご注意ください。
- 朝食から消化の良いものをお召し上がりください。
- 夕食は19時までに済ませ、遅くとも21時までには済ませてください。
- パスタなど油分の多いものは避けてください。
- 水、お茶、スポーツドリンクなど、透明な飲み物を多めに摂取してください。
- 夕食後も、水、お茶、スポーツドリンクなどは飲んでいただけます。
- ミルクやレモンを入れないコーヒーや紅茶は、飲み過ぎなければ問題ありません。
- 22時頃になったら、当院でお渡しした排便を促すお薬を飲んでください。
4当日(午前中)
検査当日は、以下の点にご注意ください。
- 喉が渇いたり、空腹感を感じたりした場合は、水、お茶、スポーツドリンクなど、透明な飲み物を飲んでください。
- 検査の4~6時間前までに、当院でお渡しした腸管洗浄液を、説明書に記載されている量の水に溶かして飲んでください。
- 1~2時間ほどかけて、数回に分けて服用してください。
- 腸管洗浄液は腸から吸収されないため、水よりも楽に飲むことができます。
- 服用後1時間ほどで、水のような便が数回出るようになります。その後、2時間ほどで便意は落ち着いてきます。
- 前日や当日に排便がない場合は、腸管洗浄液を服用する前に、必ず当院にご連絡ください。
- 腸管洗浄液服用後、1時間経っても排便がない場合や、吐き気や嘔吐、気分不良などの下痢以外の症状が現れた場合は、すぐに当院にご連絡ください。
ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
5来院
腸管洗浄液の効果が落ち着きましたら、検査の30分前までに来院し、受付にて診察券と検査同意書をご提出ください。
検査中は軽い鎮静剤を使用するため、お車での来院はご遠慮ください。
公共交通機関をご利用いただくか、ご家族などにご送迎をお願いいたします。
受付後、最後の排便の状態を確認させていただきます。
便が5~8回程度あり、透明もしくは薄い黄色の水様便であれば、検査を受けていただけます。
問題がなければ、検査着に着替えていただき、個室の待合室でお待ちください。
6大腸カメラ検査
検査室では、以下の流れで検査を進めていきます。
- ベッドに横になり、左向きで軽く膝を曲げた姿勢をとっていただきます。
- 緊張を和らげるため、ご希望に応じて軽い鎮静剤を使用いたします。
- 肛門の状態などを確認するため、最初に直腸診を行います。
- 直腸診後、肛門から直径約12mmの細径の内視鏡を挿入していきます。当院の内視鏡は、腸の曲がり方に合わせて柔軟に曲がるため、痛みはほとんどありません。
- 腸内を観察しやすくするため、炭酸ガスを送り込みながら、ゆっくりと内視鏡を進めていきます。検査時間は個人差がありますが、10~30分程度を目安としてください。
- 検査中に炎症やポリープなど、気になる病変が見つかった場合は、病理組織検査を行います。
7休憩
検査後は、リカバリールームで20~30分程度お休みいただきます。
当院では、検査中の送気に炭酸ガスを使用しているため、検査後のお腹の張りは比較的早く治まります。
横向きになったり、うつ伏せになったりする体勢をとることで、炭酸ガスが抜けやすくなります。
体調が戻りましたら、医師より検査結果のご説明をいたします。
8説明
リカバリールームで十分にお休みいただいた後、医師が検査結果をご説明いたします。
検査中に撮影した画像を見ながら、分かりやすくご説明いたしますのでご安心ください。
また、今後の検査時期については、患者様一人ひとりの状態に合わせてご案内いたします。
組織を採取した場合、検査結果は7~10日ほどで判明いたします。
結果説明のため、再度ご来院をお願いします。
大腸カメラ検査の費用
検査内容 | 費用 (3割負担の場合) |
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診察料+血液検査 | 約2,000円~3,500円 |
大腸カメラ検査(薬剤料含む、検査のみ) | 約5,000円 |
病理組織検査 | 約3,500円~7,000円 |
大腸ポリープ切除(薬剤料含む) | 約9,000円~13,000円 |
合計 | 約8,000円~30,000円 |
※1割負担の場合は、上記費用の1/3となります。
※費用はあくまで目安の値段となります。鎮静剤の使用の有無、その他使用する薬の種類など処置内容によっては多少の変動があります。